埼玉の中華料理店で愛された「スタカレー」

埼玉のご当地グルメ「スタカレー」とは

埼玉には、「スタカレー」という中華料理があるのをご存じですか。
「カレー」とあるように、カレーの一種なのかと思ってしまいそうですが、全然カレーとは別物です。
ひき肉とニラを豆板醤などで味付けたした中華餡を、ごはんの上に載せて食べます。

埼玉県民は子どものころからスタカレーをよく食べていたと言われるほど、実は歴史の長いメニューです。
カレーのような平皿にごはんをよそい、その上に餡を載せるためぱっと見ではカレーライスのように見えます。
だから、「スタカレー」と呼ばれているのでしょうか。
カレーに見えますが、食べてみると豆板醤の辛味が効いた中華風どんぶりというわけです。

スタカレー発祥の中華料理店「娘娘(にゃんにゃん)」

埼玉ではおなじみのご当地グルメ「スタカレー」ですが、実は埼玉に店舗を複数構える老舗の中華料理店「娘娘(にゃんにゃん)」が考案したメニューです。
上尾の本店のほか、浦和、桶川、大宮にも出店しており、各地で人気メニューとしてスタカレーは親しまれています。

カレーに見えなくもないから「スタカレー」というのはわかりましたが、「スタ」というのは何なのでしょうか。
娘娘の店主によると、もともとは「スタミナラーメン」という中華餡を載せたラーメンが由来だと言います。
このラーメン、ひき肉とニラを醤油味のスープで和え、豆板醤で辛味を付けた餡が人気の、文字通りスタミナの付くラーメンとして娘娘の定番メニューでした。

このスタミナラーメンは半ライスと一緒に注文されることが多かったのですが、ライスと一緒に注文したお客さんの多くがスタミナラーメンの餡をライスにかけて食べていたそうです。
それを見た店主は、「それならライスの上に最初から餡を載せてみてはどうか?」と思い、新メニューへとつながりました。
なお、「カレー」というのはどんぶりではなくカレーのようなお皿で提供することが由来だそうで、最初はその名も「スタミナカレー」と呼んでいたとのことです。
それがいつしか省略されて、「スタカレー」が正式名称になったのでした。

スタカレーのおいしさの秘密は中華餡にあります。
ひき肉とニラを豆板醤で炒めたものですが、さらに、唐辛子や生姜など複数の香辛料もブレンドされています。
そのため、食べているうちに冬でも自然と汗が流れ出すほどです。
ボリュームたっぷりなのに、たった600円と安いのも人気の理由の一つでしょう。

娘娘では、各店舗で独自のメニューを考案しており、スタカレーやその由来となったスタミナラーメンを提供しているとのことです。
埼玉県にお出かけの際には、ぜひ娘娘各店でスタカレーを食べ比べてみてはいかがでしょうか。